エフェクトのかけ方 〜ドライとウェット

 エフェクトの話をすると、よく『ドライ(Dry)』と『ウェット(Wet)』という用語が出てきます。というか知っていないと話が通じないことが多いです。というわけでドライとウェットの説明をしてみたいと思います。

 と何か深い意味がありそうに書きましたが、ドライとウェットというのは非常に単純です。

 ドライとは原音とも言われます。要するにエフェクトのかかっていない元の音、ということです。対してウェットとはエフェクト音と言われ、原音の無いエフェクト音のみのことです。

 エフェクターのパラメーターで、『ミックス(Mix)』というパラメーターが付いているのを見た事がある方がいらっしゃると思います。(もし見た事が無くても、いずれ必ず目にすることがあります。) このミックスというパラメーターは、0の方に振り切るとドライ音のみ、その逆側に振り切るとウェット音のみが出力されます。

 ではこのミックスというパラメーターはどのように使えばよいのでしょうか? これはそのエフェクトをインサートとして使用するか、センドとして使用するかによって違います。更にエフェクトの種類によっても違ってきます。

 まず、ほぼ間違いないのはセンド・エフェクトとして使用する場合です。この場合には、ミックスは値の大きな方に振り切っておきます。ウェット音のみが出力されるようにする、ということです。センド・エフェクトの場合、ドライ音は元のトラックからそのまま出力されるため、センド・エフェクト側からのドライ音は必要無い訳ですね。むしろ、『フランジング』という現象(フランジングについては別項で)が起こってしまうことがあるというデメリットのため、ウェット音のみにするのが最も良い状態と言えます。

 インサートの場合が少し難しく、いわゆるダイナミクス系エフェクト(コンプレッサー、ディストーションなど)やフィルター系エフェクト(EQ、ワウなど)の場合にはウェット音のみにします。また空間系エフェクト(リバーブ、ディレイなど)の場合にはミックスを程よい設定にし、ドライ音とウェット音がうまく混ざるようにします。これは空間系エフェクトの場合にはドライ音が無くウェット音のみの状態だと、リバーブの場合は残響成分のみ、ディレイの場合にはディレイ音のみとなってしまうため、音として使い物にならない(ことが多い)からです。

 このドライ音とウェット音は、少しパラメーターを動かしてみるだけで単純に理解する事が出来ます。そして理解する事で、人とエフェクトの話をする時に通じ易くなります。なので、必ず実践し、理解して下さいね。