初心者向け!コンプレッサーの設定が少しだけ判る方法(4)〜アタック

前回までで「スレッショルド (Threshold)」「レシオ (Ratio)」の設定を説明しました。
まずはその2つをいろいろと使ってみてください。
で、今回はパラメーター「アタック (Attack)」について説明します。
アタック – コンプをかけ始める時間を設定する
音の「アタック」と「リリース」というのは聞いたことはありますか?
え〜ちょっとアレな感じになるのは承知でピアノの音をカタカナで表すと、1つの鍵盤を押しっぱなしにした時には「ポーーーーーン」と鳴ってだんだん音が小さくなっていきます。
この「ポ」がアタックです。
「ーーーーーン」がリリースです。
ピアノのアタックは、正確なものは判りませんし奏法によっても変わりますが、おそらく20〜60msくらいかなと思います。
「ms」はミリセカンド、つまり1/1000秒です。
超短いですね。
で、コンプレッサーの「アタック」というのは、このピアノや他の楽器のアタック部分をどのように処理するかをコントロールするものです。
具体的には、「コンプをかけ始める時間を設定する」ものです。
「コンプの掛かりを遅らせる時間を設定する」と言ってもいいかもしれません。
あと、当然ながらアタックの単位も「ms」です。
アタックの設定を感じる
なぜアタックというパラメーターがあるのでしょうか?
音というのはアタックでその印象のほとんどが決まると言われています。
リリース部分だけを聴くとなんの音かがかなりわかりづらくなるそうです。
で、そのアタックにコンプを掛けると音の印象がかなり変わって全く違う不自然な印象になることもあります。
なので、アタックを使ってコンプの掛かりを遅らせることで、アタックは何も変えず全体として音量を圧縮する、ということをするわけです。
では、これを感じてみましょう。
実際にDAWを起動して実験してみてください。
まずピアノの音にコンプレッサーをかけます。
そしてスレッショルドを一番低く、レシオを一番高く、という極端な設定にします。
アタックは一番低く設定しておきます。
この状態だと、音はほとんど出ていないはずです。
そして、音を出しながらゆっくりとコンプレッサーのアタックを上げていきます。
するとどうでしょう、「プツッ」という感じの音からだんだんとピアノの音になっていきませんか?
アタックというパラメーターの働きがちょっとだけ判りましたね。
アタックの上手な設定方法
アタックの設定の考え方は割と単純かもしれません。
普通にコンプレッサーを掛けたい時は、先ほどの方法を使って音のアタック部分にコンプが掛からないくらいまでアタックを上げます。
で、スレッショルドとレシオを適切に設定します。
すると、自然な感じでかかってくれます。
もし、多少音が変わってもいいからガッツリとコンプレッサーを掛けたいなんていう場合もあります。
その場合はアタックを一番低くしてしまってもいいです。
スレッショルドとレシオも少しキツ目の設定になるかもしれません。
基本的には上記2つの考え方でOKです。
ちなみにリミッターとして使う場合は、アタックは一番低くします。
というわけでアタックについてはここまで。
次回は最後、リリースについて説明します。
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